Tokyo 緑内障物語

失明率No.1の緑内障からの解放

とびぬけた眼痛(急性緑内障発作.2)

-内科から眼科へ-

眼圧を測定すると右眼52mmHg、左目60mmHg。異常な高眼圧を示してました。散瞳による「急性緑内障発作(※1」です。

縮瞳薬を点眼。マンニトールなど利尿剤の点滴処置をしながら、ある程度縮瞳を確認したところで、レザーによる虹彩切開術を開始しました。

 

医師は、こことばかりに冷や汗をかいて平謝りしました。老婦人とご家族に陳謝。老婦人は医師が平身低頭、謝り誠意を伝えている事に恐縮してました。老婦人も先生がそれほど謝れるなら、責めるわけにいかないと戸惑うばかりの光景でした。

3時間ほどの処置で眼圧も下がり、普段の状態に戻りました。老婦人も「これからも先生にかかりたいのだからよろしくお願いします」と丁寧に挨拶して帰りました。

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カルテに大学からの医師による所見は、「浅前房(※2」の診断がありました。

 

 (※1急性緑内障発作、

前眼部には血液の代わりに、房水と云う透明の液体で血漿に相当するものが流れてます。房水は毛様体で生産され、排水路であるシュレム管に流れすが、前房が浅かったり、前房の角度が狭かったりすると排水路で目詰まりします。

この時に急性の発作を起こして、目の圧力(眼圧)が異常な状態になります。これを「急性緑内障発作」と呼びます。急性緑内障発作の症状は、かすみ目、眼痛、吐き気、頭痛が起こります。眼圧も正常範囲が、10mmHg~20mmHgなのに、50mmHgと55mmHgなど異常な高眼圧を示します。放置すると視神経が侵され失明します。

 

(※2浅前房、閉塞隅角緑内障

毛様体で生産された房水は、前眼部を流れシュレム管に流れますが、前房が浅かったり、隅角の角度が狭かったりすると排水路で目詰まりが起こりやすくなります。これを浅前房。隅角の角度が狭く緑内障発作を誘発しやすいものを「閉塞隅角緑内障」と呼びます。今、閉塞隅角緑内障、浅前房と診断されると、早急にレザーによる虹彩切開術や加齢により通常より早めに白内障の手術をして排水路を確保します。